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白川公園路上生活者人権救済申立事件で、日弁連が名古屋市に「要望書」

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     005年1月24日、野宿を余儀なくされている人たち7人が、名古屋市により
    行政代執行により白川公園から排除されました。それまでも多くの人が野宿から
    居宅保護の道を説明されないままシェルターに入所を強要されたり、排除されて
    きました。
     私たち笹島連絡会メンバーは、2005年3月22日に当事者とともに日本弁
    護士連合会に人権救済の申し立てを行いました。

    それから4年後になりますが、日弁連は調査の結果、3月31日付けで名古屋市
    に対して「要望書」を発しました。

    私たちの主張が基本的には認められたわけです。この問題については、当時全国
    の多くの方々・団体が名古屋市に抗議をし、私たちを励ましてくださいました。
    そしてこうした結果を得たわけです。

    心から、皆さんにお礼を申し上げます。


    2、3のMLに結論だけが流れていますが、その根拠となった調査報告書の骨子
    をまとめてみましたので、添付及び貼り付けます。


    詳しくは、以下を参照してください。


     ○ 白川公園路上生活者人権救済申立事件(要望)

    http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/hr_case/data/090331.pdf
     

    転送歓迎です。

    藤井克彦(笹島連絡会)

    ---------------------------------------------------

    白川公園路上生活者人権救済申立事件で、日弁連が名古屋市に「要望書」を出す

                                  2009-4-2 藤
    井克彦



    【名古屋市長への要望の趣旨】

    「名古屋市は、公園内における野宿状態を解消するために、野宿者を性急に排除
    したり、安易に行政代執行手続を発動するのではなく、居宅保護を原則とした生
    活保護の運用を行い、野宿者に対して、これを適切に説明、教示し、必要な援助
    を行うなどして、話し合いによる解決を優先するべきである」。



    【「調査報告書」(2009年3月18日)】の簡単な紹介】

    第1 申立の趣旨

    1  名古屋市は2002年(平成14年)10月に白川公園前宿泊所(シェルタ
    ー)を設置する前後から,野宿者らに対して行ってきたシェルターへの入所強要
    ,公園からの追い立てについて謝罪すること。

    2  名古屋市は2005年(平成17年)1月24日に名古屋市中区白川公園の
    野宿者のテント・小屋等の物件に対して行った行政代執行による撤去を謝罪する
    こと。

    3  今後,名古屋市は野宿者に対して排除や強制的な撤去を行わず話し合いによ
    って解決すること。



    第2 申立人らの主張する人権侵害事実

    第3 名古屋市の主張の要旨

    第4 調査の経過

    第5 認定した事実

    第6 法的問題点及び判断

    1.人権課題としての野宿者問題

    2.野宿者にとってのテントの意味

    「単なる工作物として扱うべきではなく、野宿者らにとっては住居の代替設備と
    もいうべき性質を有しているもの」。



    3.強制立ち退きと人権保障

    (1)日本国憲法の規定

    「極度の窮乏のため他に居住し得る場を確保できずに路上・野宿生活を余儀なく
    される人々にとっては,・・・かかるテント等は,上述の意味での住宅居住とま
    では到底いえないが,少なくとも住宅居住を確保できない場合における当面の間
    の代替設備ということになる。とすれば,かかる代替設備が公園等の公共の場所
    に設置されている場合,その設置行為は自己の生存の権利を維持する上での緊急
    避難的な行為として法的保護に値するものというべきである。したがって,憲法
    25条ないし13条等に照らして,当該設備設置者が公共の場所の一部を占有す
    る権原を持たないことの一事をもって,当該設備を強制撤去ないし排除すること
    を直ちに正当化することはできないと言うべきである。」

    (2)国際人権法の規定

    「社会権規約委員会における一般的意見第7は,強制立退きが認められる要件お
    よび認められる場合にも従わなければならない原則を列挙しており,例えば,
    適正手続の保障,影響を受ける人との真正な協議が不可欠であること(パラグラ
    フ16項),⇔退きの結果,個人が野宿になったり,人権侵害を受けやすい状
    態となることがあってはならず,影響を受ける人が

    自ら確保できない場合には,政府は,資源を最大限活用し,代替住居を確保する
    などあらゆる適切な措置を講じなければならないこと(パラグラフ17)などを
    要求している。」

    (3)生活保護法の規定

    「憲法25条の社会権的側面を具体化した生活保護法30条1項を見ると,「生
    活扶助は,被保護者の居宅において行うものとする」として居宅保護の原則を規
    定している。・・・したがって,生活保護の実施機関としては,野宿状態にある
    者に対し,原則として,野宿者が希望するのでなければ,シェルターなどの設備
    ではなく,アパート等において居宅保護を実施することができるようにする必要
    があると解すべきである。特に,本件で白川公園の野宿者のために用意されてい
    たシェルター(白川公園宿泊所)については,個室が用意されていたり,冷暖房
    が整備されていたりするなどの一応の配慮がなされてはいるものの,食事は夕食
    1食だけであること,就業訓練事業による配分金も約3万5000円程度にとど
    まっていることなどからすると,白川公園宿泊所の生活は,生活保護の水準を下
    回るものであったと言わざるを得ない。生活保護の実施機関としては,野宿状態
    にある者に対して,シェルターという設備を用意するだけでは不十分である。」


    「野宿者らが生活保護を適切に利用することがないまま,野宿状態を継続させる
    ということがないようにするために,行政代執行をするにあたっては,行政は野
    宿者らに対し,生活保護法で保障された諸権利等を正確に教示し,被保護者に誤
    解があれば正しい説明を行う等の手続を踏む義務があると言うべきである。」

    (4)行政代執行手続の人権侵害性の判断

    行政代執行法は,義務者が義務を履行しない場合に,ただちに代執行を行いうる
    ものとはせず,「他の手段によってその履行を確保することが困難であり,且つ
    その不履行を放置すること

    が著しく公益に反すると認められるとき」(行政代執行法2条)に,はじめて代
    執行をなしうるとしている。そこで,行政代執行法の適用にあたっては,実質的
    に,憲法や国際人権法,生活保護法の精神に則し,これと調和し得るように合理
    的に解釈されなければならないのであるから,行政代執行法の適用が正当化され
    るためには,少なくとも,‥事者,関係者との実効的で十分な協議及び交渉が
    なされていること,適切かつ十分な代替措置を講じることの要件をいずれも充
    足していなければならないと言うべきである。」



    4.2005年1月24日の行政代執行手続の法的問題点及び判断

    「名古屋市は,2004年(平成16年)7月27日以降,野宿者らに対し,自
    主的に不法物件を撤去するよう求めていたが,11月30日までは,野宿者らが
    生活保護を受給するためにはシェルターを経由しなければならないと説明し,野
    宿生活から直ちに生活保護を受けることが可能であることの説明をしていなかっ
    た。」

    「このような名古屋市の対応には,野宿者の問題を抜本的に解決しようという姿
    勢は見られず,むしろ,野宿者に対して生活保護の適用を積極的に排除しようと
    する意図すら感じられる。このような名古屋市の取り扱いは,野宿者の人権保障
    の観点から極めて重大な問題があったと言えよう。」

    「名古屋市は,当初,野宿者らに,シェルターを経由しなければ生活保護を受給
    することができないとの誤った説明をしていたのであるから,行政代執行をする
    にあたっては,「何かあったら福祉事務所に来てください」という程度の説明で
    は不十分であり,居宅保護の権利を含めた生活保護法で保障された諸権利等を適
    切に説明,教示し,誤解を解消させなければならなかったと言えよう。」

    「本件では,名古屋市が当初から野宿者に対して居宅保護を含めた生活保護法で
    保障された諸権利等を適切に説明,教示していたり,十分に時間をかけ,積極的
    に居宅保護を申請するように具体的に援助をしていれば,行政代執行に至ること
    なく話し合いによって解決をすることも十分可能であったと考えられる。」

    「強制立ち退きは慎重かつ抑制的に行われるべきであると考える当連合会として
    は,名古屋市の行った本件行政代執行は,実効的で十分な交渉ないし説明がなさ
    れた上で行われたとは言えず,野宿者の生存権を侵害するおそれがある強制立ち
    退きであったと考える。ただし,名古屋市としても,2004年(平成16年)
    11月30日以降は一定程度居宅保護を説明するようになり,同日以降,11人
    の野宿者らに対して居宅保護を実施したこと,最終的に行政代執行を受けるに至
    った7人の野宿者らについても,行政代執行に至るまでの間に支援者らの協力を
    得るなどの方法によれば居宅保護を申請する機会がなかったとまでは言えないこ
    となどの諸事情を踏まえ、頭書のとおり要望する。」



    5.まとめ

    「当連合会としては,今後,名古屋市において野宿者の人権に配慮した施策を実
    現するために,別紙のとおり,要望する次第である。」

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      • 2020.08.15 Saturday
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