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『若者たちの《政治革命》 組織からネットワークへ』

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     『若者たちの《政治革命》 組織からネットワークへ』  中公新書ラクレ 2004年

    要約 okaby

     第1章「若者の政治離れ」神話解体

     

    本書全体の概観 「知識の社会過程」「ネットワーク」という二つの切り口

     

    1.《おじさん》的言説 「本当に若者は政治に関心が低いのか?」

     「俺は政治なんて関係ないさ」←「政治には期待できない」「政治家は汚い」「政治より他にもっ
    と面白いことがある」などの理由。

    疑問 「そもそも《若者》とはどのような年齢層を指すのか?」

     平均寿命の大幅伸び、「モラトリアル期」の拡大

    ⇒一世代前と比べても青年期の始まりは早く終わりは遅い

     「20歳〜24歳の年齢層=若者」などという固定的議論

    疑問◆\治的関心を何によって測るのか?投票率?

     「政治に関心はあるが、投票するに値する候補者がいない」「どの候補に投票しても大勢に影
    響がない」と判断すれば、投票行為のコストに見合わない。

     「年齢の高い有権者は政治的関心が高いから投票率も高い」のか?

    加齢とともに「組織的な投票行動」の比率が「選択的な投票行動」より高まる。

    歳をとるにつれて何らかの帰属集団の「しがらみ」に結びつく傾向が高まるため、「投票に行か
    ないという選択行動」が妨げられる。「知り合いに頼まれた」「自分の帰属している組織が支援し
    ている」などの理由で特定候補者に投票するのは、むしろ政治的関心の低さの表れ。

     都市部に住む知識層「投票に行くことは成熟した大人としての当然の行為」という意識

    ←投票行動が自分たちのアイデンティティの確認につながるが、こういう投票動機は政治的関
    心とは直接関係がない。

    疑問 低投票率は「今の若者」にのみ特徴的な現象ではない

     過去30年の衆院選:20代前半が最も低く、20代広範から5〜10%上昇、30代からさらに上昇

     93年総選挙移行の合計投票率の低下:4、50代の投票率低下も若者層と同程度

     「組織票の浮動票化」

    ※《若者》が政治に無関心だという社会認識は、社会的言説が生み出した《フィクション》

    社会的言説の作り手は(4、50代の)《おじさん》 

    「社会における《若者》像」は年長者から見た《若者》像

     

    「知識の社会過程」に鈍感なマス・メディア

    ・「要点整理能力」⇒「ざっくり要約した短いフレーズ」

    ・「情報の特権階級」からの「投票しよう」というメッセージのうさんくささ

    ・若者の政治的無関心・政治不信を繰り返し報道

    若者自身に投票や政治参加に消極的な自分自身を納得させるロジックに

     

    2.ネットワーク化する現代政治と若者

     情報環境の発達により情報発信機能が分散化すると、重要な情報が必ずしもつねに「中央」
    に集まってくるのではなく、社会のあちこちにわかれて存在する余地。

    「情報中央集権主義」の変容

    「バラバラに存在する重要な情報を《つなぐ》こと」が本質的に重要に。

     

    「ネットワーク」の構造原理

    ー発性・開放性

    ネットワーク的に活動し行動する人間は、ある事柄に関心があるというだけの理由で、さまざま
    な議論や活動に参加することを好むが、いったん参加してもその枠内に固定的にとどまったり
    拘束されることを好まず、参入や退出が自由で開放的な集まりの形態を好み、そういう集まり
    に進んで足を踏み入れようとする傾向を持つ。 

    非統制性

     上下関係や長幼の序をまったく無視するわけではないが、そういう「立場の上下」的なものに
    よって他者から統制されるような状況を嫌い、そういう出来事が頻繁に起きると、そういう集ま
    りから離脱しようとする志向を持つ。

    つながりの本質性

     ある「集まり」のメンバーとなったとしても、その「集まり」の永続や集団的追求を最優先に考え
    るのではなく、ある特定の問題に関心を持って集まったメンバーが、その時々の問題にみんな
    で協力して取り組み、その取り組んだ課題が解決されることによって喜びを感じたり、あるいは
    その課題に取り組む過程で人と人とがお互いにつながり合って共感できるということに価値を
    置く傾向がある。

     

    3.ライフスタイルの多様化、政治との多様な関わり方

    「日本的経営」(終身雇用・年功序列・企業内労働組合)の神話は崩壊したが、「実力主義社会」
    に向かっていく見込みは立たない(自分や友人の父親は年齢だけを理由にリストラの対称にな
    っているなど)。

    「組織はあてにならず、組織によって自分自身が拘束される人生は割りに合わない」

    年金・医療・保険などの社会諸制度への根強い不信感

     今の若者は、実力にも人間関係にも頼れず、何を指針としてこれからの世界を生きていけば
    よいかわからなくなってる。

     

    ※20代後半は「自分探し」

     「大学を卒業し、おおむね生涯を保証してくれる会社に入り、その会社の中で習得可能なス
    キルを身につけていく」というかつての20代のライフサイクルイメージの崩壊

       ↓

     雇用環境が厳しい中でがんばって就職しても、数カ月で辞めたくなるような会社かもしれない
    し、そこを必死にこらえても30代半ばはもう「首切り」の対象になるかもしれない。

       ↓

     「定職」に比べて「一時的な職」に就くことのデメリットは、所得面でもキャリア形成の面でもあ
    まり大きいとは限らない。

       ↓

     20代を「ネットワーク」的に過ごして30歳くらいになったときに自分のやりたいモノにいたるとい
    うのも「あり」。

     

    ※共感志向がボランティアに向かう

     私企業の主導的原理である「自己利益の追求」に衝き動かされて馬車馬のようにさんざん働
    いた親の世代を見て、今の若者は「彼らは結局のところ幸せだったのか」と問い直し、そうした
    生き方を考え直そうという面が確実にある。

       ↓

     民間企業では、「職人肌の技術屋」「浪花節的な営業マン」「世のため人のため的な生き方」な
    ど利益至上主義に傾かないための「仕掛け」を失ったため、「公共的非営利マインド」を持つ若
    者を吸収できなくなった。

       ↓

     長期雇用が必ずしも保証されていなくても、給与レベルがそう高くなくても、ちょっとしたきっか
    けを得てある活動に携わり、その中で何かつながりを得てそれを通じて自分の将来を豊かに
    するための何かを気づき上げる、「ネットワーク」思考。

     

    ※政治への多様な入り口

    ・政党インターン、選挙ボランティア⇒「政治家秘書」

    ・地方自治体では立候補は25歳から可能、給与は同世代のサラリーマンと遜色ない

    ・政策系の学部学科が多く設置

    ・「特定非営利活動促進法(NPO法)」(98年)

     

    ※なぜ政治に参加したのか

    ・自己実現(自分をもっと高めたい)、「自己表現」「自己発見」「自分らしさ」

    ・「政治に就職する」

    ・「思い」「怒り」

    日本社会全体で長期雇用が保証されなくなっているから、リスクは相対的に低下。

     

     

    第2章イデオロギー型参加からネットワーク型参加へ

     

    :日本政治の歴史を「ネットワーク」の視点から整理概観。

    「インターネット元年」1995年 「インターネット政治元年」2000年

     

    節目としての95年 \津隋Ε離奪現象 ⊃椋劵椒薀鵐謄ア インターネット

     従来の選挙では、候補者は政党や組織の都合で選ばれ、有権者はその中から選ぶという受
    動的な立場での選択を強いられていた。ネットワーク型選挙では、候補者選びに自らが積極
    的に関わり、世の中を変えるために動いたり、自分自身を納得させるために人と人との"つな
    がり"を生み出して、同じ考えを持ってくれるように宣伝したり、「小さなことでもいいから」という
    気持ちで可能な範囲で、できることを行おうとしている。

     豊かさを経済的な指標(お金)やモノ(商品)だけでとらえるのではなく、何か行動し、その行為
    に対して他人から感謝の気持ちを伝えられたときの喜びや、自己実現がもたらす満足感・達成
    感によって得ることを重視する人々が増えてきた。Cf.「地域通貨」「エコマネー」

     

    2000年 

    長野県・栃木県知事選挙 「1区現象」 東京21区補選 「電脳勝手連」「ネットワーク族」

     21世紀の国政選挙・知事選挙においては、投票率が50%を超えればどんなに強力な組織基
    盤を持っていても落選可能性があるようになり、「むしろ組織などないほうが有利」という逆説的
    状況が生まれてきている。?

     目的合理的組織による統制・命令・強制を超えたところで進化を発揮するネットワーク。

     

    ネットワーク型選挙

    〇臆歎晋饗Аー臑寮と能動性を確保しながら"つながり"を作る"場"に参加する。

    対等的非階層的関係の構築志向 

    3放性・非統制性の原則 活動方針は、命令指揮系統による統制よりも、話し合い・説
    得・誘導・納得によって決められる傾向が強く、活動に対するコミットメントの濃密さも各人の意
    思が最優先される。

    だ党が行う選挙(組織型選挙)へのカウンター・パワー

    "つながり"と"共感"を求めながら活動

    cf.ローカル政党、生協の「代理人運動」⇒ネットワーク的活動の先駆

     

    イデオロギー型政治参加は「組織型選挙(ヒエラルキー型選挙)」と親和的

    〇抻団体の利害関係・既得権益を優先

    ∩反イ箒ζ餌里旅柔員は、集会に動員させられるなど統制を受け、役割を与えられる

    所属組織の利害関係によって、選挙中・当選後の活動や行動範囲を縛られる

     

    第3章以降は省略

     

     

    コメント

    ※若者の政治意識、政治参加の動向についての一つの説明として興味深い。

     既存の政治・社会運動が、なぜ若い世代の参加を促せていないか、(理念・政策とは別次元
    の)政治のスタイルの在り方を学ぶ上で有益。発達する電子媒体などを活用した、開放的なネ
    ットワークの意義を確認。

    ※だが、分析視角があまりにも一面的。

    々融,梁仂櫃民主・自民など、保守・リベラル志向の政治の世界に集中しており、Warld
    peace nowなどイラク戦争を契機にしたグローバルな運動(世界社会フォーラムなど)の叢生に
    影響を受けた政治参加についての考察が欠如。

    「イデオロギー型・組織型」選挙と「ネットワーク型」選挙という二項対立の形而上学

     無党派を標榜する政治家であれ、何らかの組織による何らかの支援なしには勝てないことを
    隠蔽している。知名度のない若者はなおさら。

     イデオロギー=理念なしのネットワークに、「政治革命」に値する政治の転換を期待できる
    か?

    政治参加のスタイルの新しさについて言及されているが、「社会的弱者」としての若者という
    階層の利益を代表する回路が不問にされ、理念や政策、争点をめぐる若者の政治意識につ
    いて分析もない。 


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