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3月メール通信「講演録:非暴力で紛争をいかに解決するか」(池住義憲)

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    〜転載・転送歓迎〜

    <2010年3月メール通信>

           <講演録>
    『非暴力で紛争をいかに解決するか』
    〜〜スリランカにおける民族紛争と非暴力平和隊のチャレンジ

                          2010年3月23日
                               池住義憲


     3月20日夜、イラクから戻ってきました。日本国際ボランティア
    センター(JVC)との協働で行う立教大学平和研究プロジェクトの
    関係で、イラク北部エルビルに一週間ほど滞在していました。
    その後大阪で開催された「おおさか社会フォーラム」にも参加して
    昨夜帰宅しました。

     今回のメール通信は、さる3月6日、立教大学で行いました
    非暴力平和隊事務局長ティム・ウオリスさんの講演内容です。
    非暴力で紛争をいかに解決するか。30年におよぶ民族紛争の
    スリランカで、非暴力平和隊がどのような考え方でどのような取り
    組みをしているかについての講演内容です。

     翻訳は当日逐次通訳をして下さった株式会社ディプロマットの
    原不二子さんにご協力をいただき、私の手許で小見出しをつける
    など編集しました。六千字を超える長文ですので、2回に分けて
    お送りします。

     なお、講演会当日に配布したスリランカについての基礎知識
    「スリランカQ&A」および「非暴力平和隊」についての基礎資料を
    ご希望の方は、<
    ikezumi@mtb.biglobe.ne.jp >をクリックして
    その旨を書き送ってくだされば添付ファイルでおおくりします。

    ------------------------------------------------------------
      『非暴力で紛争をいかに解決するか
        〜〜スリランカにおける非暴力平和隊のチャレンジ』

       講演者: 非暴力平和隊事務局長ティム・ウオリスさん
       日時:   2010年3月6日(土)14:00〜17:40
       場所:   立教大学池袋キャンパス

    ■紛争解決に役立つのは誰か
     紛争地域外にいる私たちは、何をしたら紛争解決に最も役立つのでしょうか。
    今日紹介する事例はスリランカですが、非暴力平和隊(NP)がかかわるどの国
    においても、戦争を終結させ、平和を定着させるために皆さんができることは、
    日本をはじめどこからでも沢山あります。一方では、国連をはじめ米国などが当
    事者として軍事介入により、戦闘を停止させ、何らかの秩序を回復する努力がな
    されています。ご存知だと思いますが、インドはスリランカ紛争のある時点で平
    和維持軍を送り込みましたが、それにより戦争状態を緩和させるどころか拡大さ
    せてしまいました。
     常に、そうなるというわけではありませんが、軍事力をもって地域における戦
    いに分けて入り、両当事者間の争いをやめさせるという考え方自体に矛盾があり
    ます。意味をなさないばかりか、大半の場合、うまくいっていません。

    ■国連の平和維持軍
     国連は現在90億米ドルあまりを毎年使い、世界の17紛争地域に12万人の
    軍事平和維持軍を派遣しています。それらどの国においても、国連の存在により
    紛争が実際に解決されたことはありませんが、平和と安定を一定期間もたらすこ
    とが場合によりできており、そのことは言うまでもなく暴力的な紛争に苦しむ一
    般の人たちにとってよいことと言えるでしょう。
     しかし、ほとんどの国連平和維持軍は、人に銃を向けて徘徊しているよりまし
    ですが、実際には何もしていない。平和維持軍の存在自体が、国際社会に現地の
    状況に重大な関心を持たせ、目を光らせていることを示唆しているのです。その
    実をあげるために、平和維持軍は何をしなくともよい、そこにいることでその効
    果があるのです。もっとも、先ほど言ったように状況を治めるというより悪化さ
    せることはありますが。

    ■軍事要員と市民、どちらが効果的か
     平和維持軍が、暴力を縮小するのに良い効果をあげたとされる場合があります
    。それは軍服、戦車やヘリコプターなど武器の存在によってではなく、彼らの物
    理的な存在によるものです。そうであるなら、軍人を送り込む必要があるのか、
    民間人でよいのではないか、ということになります。
     民間人は軍人よりずっとお金がかかりません。高価な武器や軍隊が使う銃器を
    使う必要がないからです。それだけではなく、民間人は、兵舎でトランプ遊びを
    して時を過ごし、たまに道路を巡回する兵士よりずっと多くのことができます。
    まず地元の人たちと話しあう。そして、技術やモラルサポートなどを提供するこ
    とができます。話し合うことにより信頼を築き、失われていたコミュニエーショ
    ンを復活させることもできる。
     驚かれるかもしれませんが、ほとんどの状況において市民の方が軍事要員より
    仲間の市民を実際によりよく保護することができるのです。これは、まさにこの
    7年間、私たちのスリランカでの主たる役割でした。このことは後でお話します


    ■紛争地域外の人に何ができるか
     戦争や暴力的な紛争地域の外から何ができるか、という問題についてまとめて
    おきたいと思います。政治家が安易に軍事介入を選ぶのは、ほかの手段を知らな
    いからです。日本のような国においてですら、ビルマ、パレスチナ、スリランカ
    、ダルフールなどの状況に対する政治的な議論は、驚くほど創造的な論議に欠け
    ています。暴力や紛争を停止したり予防する数多くの手段は国連をはじめ、各国
    政府、一般市民にありながら、危機においてまず軍事オプションが選ばれるので
    す。
     軍事介入といかないまでも制裁があり、国際社会が戦争や暴力を予防するため
    にとる手段として、経済封鎖、輸出入禁止、スポーツ・文化交流の中断、旅行禁
    止、外国資産の没収などの制裁を課すこがあります。国際犯罪法廷における戦争
    や人類に対する犯罪の告発などもあります。最近では、国際社会は、罰則の代わ
    りに貿易、援助、経済協力、技術支援など多くの方策をつかい、戦争当事者を戦
    場から交渉の場に着かせることが試みられています。

    ■リベリアの女性
     紛争は、最終的には紛争当事者だけが解決できるのです。実際に戦闘している
    人びとだけではなく、両当事者に挟まれた中道・穏健派-普通の人たち、とりわけ
    女性が解決できるのです。何人の方が、「リベリア内戦を終わらせた女たち」(Pray
    the
    Devil Back to Hell)という映画をご覧になったでしょうか。この映画は、紛争
    や殺し合いにうんざりしたリベリアの女性たちが立ちあがった話しで、戦ってい
    た人たちを座らせ、和平を話しあうことを要請しました。そして、合意に至る兆
    し見がえないまま長引くと、女性たちは会議場の出口をブロックし、合意に至る
    まで外へは出さなかった。このような状況において、普通の人たちが殺し合いを
    止めさせるために何ができるかを描いたパワーフルな映画です。
     リベリアの女性は勇敢で固い決意を持っていましたが、全ての国にそのように
    リスクをとる能力や意思がある人がいるとは限りません。スリランカの場合は、
    30年も続いた内戦中にリスクを犯し、殺害されてしまった人の数は多い。また
    、国外に逃れた人、リスクを伴う機会を前にしながら口を閉ざしてしまった人も
    います。そういった人たちは何処にでもいます。スリランカをはじめ、どこの紛
    争でも解決できる人、人を殺めることは問題解決の道ではないと説得できる人、
    クリエイティヴで想像力を働かせ、誰も考えたことのない妥協案や代替案を、両
    者を満足させ得る道を考え付く人はいるものです。そのような人は、残虐な対立
    の中で最も暗い日にもいるものです。
     紛争地域外の人たちができる最善のことは、そのような人たちを支援し、紛争
    解決を彼らができるようにサポートすることです。私たちには解決できないが、
    現地のその勇敢な人たちにはできるのです。

    ■地元地域の人々をサポート
     紛争解決、戦争停戦、予防の戦略として最善のものは、自らの状況を変えるこ
    とができるチャンスをもっている地元の人をサポートすることです。その人たち
    は、紛争を終わらせるために重大な役割を果たしたリベリアや北アイルランドの
    女性たちのように、良く見える存在であるかもしれません。大部分は和平のため
    に努力をしているリベリアの女性、北アイルランドの女性扮装を終焉させる上で
    重大な役割を果たした人たちであるかもしれない。然し、ほとんどは、人目を引
    くことなく、いろいろな方法で状況を変えるべく静かに努力している人たちかも
    しれません。
     平和活動家だったり、人権擁護団体で働いている人、ジャーナリスト、弁護士
    、教員であったり、世の中のことに目覚めている普通の人たちなのです。少年兵
    士の母親であったり、殺害、あるいは蒸発してしまった人の親戚縁者だったり、
    拷問やその他の虐待や犯罪の犠牲者だったりします。戦闘により家を追われ、持
    ち物を全て失った人たちであるかもしれません。いずれにしても戦闘や人を殺害
    することなく目的達成にはよりよい手段がある事に気づいた人たちです。その人
    たちを探り当てなければなりません。

    ■岐路に立つスリランカ
     スリランカでは、これらの全てのカテゴリーにおいて志を同じくする人たちを
    探しあてることができ、30年におよぶ内戦解決の彼/彼女らの努力を助けたの
    です。皆さんもご存知と思いますが、スリランカの内戦は平和裏に終結できず、
    一方の他方に対する完全な軍事的な勝利と抹殺で達成されました。平和努力とい
    う意味では、良い結果とはいえませんが、問題は次に何が起こるかです。スリラ
    ンカが、他所で良く見られるように、単にまた暴力と戦争の循環に落ち込んでし
    まえば、私たちの努力はある意味で無駄だったことになってしまいます。しかし
    、スリランカが暴力に更に輪を掛ける悪循環を断ち切って、平和と安定の道を歩
    み始めることができたなら、私たちの戦略が成功した、努力が報われた、といえ
    ます。
     スリランカは、疑いなく岐路にたっています。平和へ向かうか、戦争に戻るか
    。いずれにも転ぶことができます。決定的な因子は、今話をした普通の平和を求
    め、生活を営むことを望む人たち、あらゆる当事者の中にいる穏健派、大砲や銃
    器や戦争ではなく平和的で民主的な手段により目標を推進したい人びとです。中
    道穏健派の人たちをどのようにサポートしてきたのか、とくに「平和か戦争か」
    がかかっている現在、どのようにサポートするのかが問われているのです。

      〜〜以下次回(近日中に発信)メール通信に続く〜〜
     <2010年3月メール通信供

     先日(3月23日)送信したティム・ウオリスさんの『非暴力で
    紛争をいかに解決するか』講演録の後半部分をお送りします。
    転載・転送、歓迎です。

     今後、順次、フィリピン(ミンダナオ島ムスリム自治区での
    民衆による平和づくり)、カンボジア(シェムリエップ州北部に
    おける人々の非暴力による平和づくり)、イラク(キルクーク
    地区における草の根からの平和づくり)についても、それぞれ
    の歴史的背景、状況などを書き送る予定です。

     こうした地域住民による非暴力による平和づくりの取り組み
    は、これまであまり記録されていない。記録され歴史に残って
    いるのものは、すべて、その時々の為政者、パワー(権力)を
    持っている人たちの視点からのものがほとんどです。その
    ほとんどが、軍事力によるものです。

     今回、立教大学で行う平和研究プロジェクトは、記録されて
    いない、語られていないアジアの草の根の人々の平和に対
    する非暴力の取り組みを掘り起こし、記録し、分析し、語り
    広めることがねらいです。

     長文ですが、ご一読ください。

        2010年3月24日
        池住義憲(立教大学大学院教員)
        *明日(25日)より米国へでかけ30日帰着予定

    ---------------------------------------------------
      『非暴力で紛争をいかに解決するか
        〜〜スリランカにおける非暴力平和隊のチャレンジ』

       講演者: 非暴力平和隊事務局長ティム・ウオリスさん
       日時:   2010年3月6日(土)14:00〜17:40
       場所:   立教大学池袋キャンパス

    <前回送信部分:小見出し項目のみ>

    ■紛争解決に役立つのは誰か
    ■国連の平和維持軍
    ■軍事要員と市民、どちらが効果的か
    ■紛争地域外の人に何ができるか
    ■リベリアの女性
    ■地元地域の人々をサポート
    ■岐路に立つスリランカ

    <以下、後半部分>

    ■非暴力平和隊の活動
     さて、非暴力平和隊の活動、非武装市民による平和維持とよんでいることにつ
    いてとりあげます。前述のように、12万人からの平和維持軍が国連に存在して
    います。彼らの任務は、停戦協定の監視、国境沿いのパトロール、暴力の予防あ
    るいは削減、市民保護です。先ほども言いましたが、多くの場合、市民の方が軍
    事要員より、特に市民保護において、より良い仕事ができます。平和維持部隊に
    しても平和維持のための市民活動にしても、紛争解決は地元の人がやらなければ
    ならないことなのです。そのためには、彼らの安全が確保されていなければでき
    ないし、努力中に殺害されてしまいます。
     ジャーナリストは、当事者以外の市民に影響力をもつ重要なグループです。問
    題を質し、現状を報告し、現実を曲げる人たちに疑問を呈することができます。
    ジャーナリストの存在は、情報や戦況について報告されることを管理したい人た
    ちに対する脅威です。スリランカだけで、この5年間に、殺害されることを予知
    し、死亡記事を先に書いた有名な新聞紙の編集者をふくめ34人のジャーナリスト
    が殺害されました。その間、国外に逃亡したジャーナリストは何十人に上ります

     非暴力平和隊の仕事の一部は、重大な脅威に曝され国外に出国したい人を助け
    ることでした。残ったジャーナリストは、恐ろしくて何も言えない。実効ある自
    己検閲が作用したことになり、スリランカの人たちはこの数年間、何が実際に起
    こっていたかを知りえなかったのです。この岐路とも言うべき重大なときに当た
    り、非暴力平和隊の仕事は、ジャーナリストの他国への逃亡を助けることではな
    く、帰国を促すことにあります。ジャーナリストが、厳しい質問を行ない、報告
    することなくして、スリランカが正しい道を選択する機会は大幅に狭まるからで
    す。
     同じことが人権擁護活動家、弁護士、穏健な政府官吏、穏健なタミル政治家に
    もいえます。これ等の人の多くが、30年戦争間にあるいは殺害され、口を封じ
    られ、多くが国外に逃れました。今こそ、彼らがスリランカにとどまり、発言す
    ることを助けていかなければならない。この人たちこそスリランカを良い方に変
    えることができるのです。
     非暴力平和隊の主な仕事は、平和活動を地元の人たちが安全に行えるよう彼ら
    を保護することです。それぞれ立場の違う人たちに対し、異なる手段を用い行な
    っています。ジャーナリスト、人権活動家、穏健政治家などとの共同作業をして
    います。スリランカの未来の鍵を握る彼らが、内戦後における平和と節度、公正
    を進める役割を果たして欲しいからです。
     また、重要なのはタミル人、とりわけ最近の闘争により家財を失った人たちで
    す。スリランカ社会の一部として、平和な多民族社会に統合されるか、またはさ
    らに阻害され、自己権利と民族自決のための戦闘に早晩もどってしまうのか。後
    者に向かわず、前者の道を歩むことを保障できるか。これもまた、主として彼ら
    の保護にかかわる問題です。

    ■国家の義務と責任
     国家の主たる義務は市民の保護にあります。その機能が作用しなければ、市民
    は自己防衛のため、群集による正義を求め、義勇団を組織、武器を保持する道を
    選んでしまいます。その状況を避けるため、警察、法廷、その他の政府制度が、
    全ての市民に対し公平に機能しなければなりません。少数派であるタミル人は、
    政府の手により膨大な苦悩を被り、何千何万の人たちが家を失い、何万人にも上
    る人たちが殺害されており、当然ながらスリランカ政府を恐れ、援助するといっ
    ても当局との接触を嫌います。
     その状況下での私たちの仕事は、人命保護、人権擁護に当たる警察や人権委員
    会、その他の当局に市民が問題を報告し、然るべく措置がとられるよう、制度を
    強化することにあります。同時に、一方でタミル人をはじめその他の犠牲者に政
    府サービスを使うよう、まず問題の報告を進めることにあります。そのためには
    、警察まで同行し、実際に然るべき措置が取られるのを見届けることでした。時
    には、人権委員会の人権侵害の訴え調査に同行し、しかるべき措置がとられるの
    を見届けることも含まれました。スリランカ軍部に対し、人権及び人道支援の講
    義をおこない、国際法における軍人としての責任を理解するとともに、責任を乱
    用した際の処罰について知ってもらうことでもありました。

    ■公正な選挙
     選挙を行なうことも、市民が苦情を登記し、暴力に訴えることなく平和裏に政
    府に影響力を行使する道です。スリランカにおける選挙は常に暴力的で、最近の
    大統領選挙も例外ではありませんでした。候補者は、権力者を脅かす対立候補と
    して暗殺されます。投票所に手榴弾が打ち込まれ、選挙日に投票しないようにす
    る、などあらゆる脅しや恫喝が手段として使われます。投票結果を左右する不正
    行為はいうにおよばずです。
     スリランカには、投票権を行使し、暴力や不正を予防するための選挙監視組織
    があります。非暴力平和隊がしていることは、特に危険な地域において地元の選
    挙管理員を保護することです。有権者が安心して投票することを保障するためで
    す。この厳しい時期、次の総選挙がスリランカの明暗を決めます。選挙関連の暴
    力を減らし、それぞれが地元の利害や政見を代表する候補者に安心して投票する
    ことができれば、スリランカが暴力ではなく民主的な道を選ぶ機会ができます。

    ■少年兵の問題
     もうひとつ、数年にわたり手がけてきたのは少年兵の問題です。拉致や暴力的
    に家族を恫喝することにより子どもを連れ出す手口です。スリランカは、世界中
    の少年兵の最悪な記録保持者です。嬉しいことにこれを完全に撤廃すること日が
    近づいています。
     この行為が長く続いたのは、タミルタイガーなどの武装集団が子どもを要求・
    拉致することへの恐れだったのです。然し、スリランカには沈黙の文化が存在し
    ており、社会全体が見て見ぬ振りをすることにより、暗黙の承認を与えられてき
    た面があります。UNICEFなどの組織が長年この問題を手がけ、止めさせる努力を
    してきたのですが、非暴力平和隊がしたことは、子どもたちやその家族、特に母
    親たちにこの慣習を質し、やめるべく要求することを仕向けることでした。
     ジャーナリストや人権擁護者と同様に、非暴力平和隊はひととき、武装集団に
    拉致されることがないよう、子どもたちをひそかに一定期間安全な場所に隠した
    ことがあります。そのことは直接問題に対応することにならず、むしろ当初の対
    象だった子どもたちではない、他の地域や他の家庭の子どもたちが拉致された結
    果を招いてしまったのです。
     この状況を変えたのは拉致された子どもの母親たちが直接ジャングルの中の収
    容所に出向き、子どもを返すよう要求したことでした。先の状況を掌握したリベ
    リアの女性とおなじようでもあり、母親たちが大胆な行為がゆえに殺害される恐
    れもありましたが、されずにすんだのです。スリランカでは、子どもの徴兵は許
    されない、というところまでカルチャーが変わってきています。

    ■代替案の開発を
     これらは、非暴力平和隊がスリランカにおいて、地元の人たちが事態を掌握し
    て、長年に亘り国を支配していた暴力の連鎖に歯止めをかける奨励を行なった数
    例にしか過ぎません。
     スリランカの将来は確かに不確実で、非暴力平和隊が行なうこのような仕事は
    これからも続きます。それは世界の未来がかかっているからにほかなりません。
    これ等の状況において暴力が支配することをゆるしてならない。暴力により最も
    被害を受ける人たちこそ、広島の被爆者であれ、2001年9月11日にワール
    ド・トレード・センターで命を失った人たちの親戚縁者であれ、スリランカで爆
    破され、抹消された村落民であれ、暴力は暴力を生み、更なる悲惨さ、死、苦し
    みと破壊を招くだけであることを知っているのです。
     私たちの間の差異を解決するより良い方法はあります。その代替案を開発し、
    実証して、世界により良い道があることを示していかなければならない。それが
    非暴力平和隊のスリランカでやろうとしていることなのです。有難うございまし
    た。(完)

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      • 2020.10.02 Friday
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